熊谷さとしのフィールドノート
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指跡型(ゆびあとがた)

肉球(パッド)は、音を立てずに歩くためのものだ。
これは、ついている場所によって、3つに分けられる。
指先にあるのが指球、指の付け根にあるのが蹠球
タヌキやキツネなどは、蹠球が一つにつながっている。

そして、手首の付け根にあるのが手根球だ。
走ることの多い「走り屋」の連中の手根球は退化してしまって
いるが、枝をつかむ「つかみ屋」の連中の手根球は、大きくて
二つに分かれている。


▲タヌキの足跡

カワウソは前足の手根球が大きく、ハクビシンでは大きく2つに分かれている。
リスやムササビでは、枝をはさむために、蹠球と手根球が真ん中から分かれて、4つのブロックになっている。


※左の二枚の画像は、マウスをのせると、肉球にわかりやすく色がつくよ!

蹄型(ひづめがた)


偶蹄目        奇蹄目
動物は、走り屋になればなるほど、指先だけを使って走るようになり、指の数が減ってくる。
偶蹄目・奇蹄目ともに、進化の過程で まずいらなくなったのが親指だ。

そして、シカ、カモシカ、イノシシ(偶蹄目)では、人差し指と小指も小さく変化している。 これは 副蹄(ふくてい)と呼ばれる。



▲前から見ると               ▲後ろから見ると
奴らは、わずかな岩の角でも、主蹄を開いてひっかけ、足場にすることができる。
そして、ずり落ちそうになってしまったら、ストッパー(副蹄)を使う。

偶蹄類はこのような足のおかげで、自由自在に岩や崖を駆け回ることが出来たのだ。

自分の手を、机の上で、偶蹄類の足だと思って動かしてごらん。
当然、親指は退化しているから折りこんでおく。
中指と薬指が主蹄、人差し指と小指が副蹄だ。

すぅっと前に出し、次にバックさせてみよう。
そのときに、副蹄(人差し指と小指)を立てると、ぱっと止まる。

つまり副蹄は、うしろに下がらないための、あるいは雪や泥に足をとられないための「ストッパー」なのだということがわかる。

ラクダ(偶蹄目)の薬指と中指なんかは、骨が根元でくっついている。

ウマ(奇蹄目)は、草原を駆け回る生活に適応した結果、4本の指が完全に退化して、中指1本だけで走るようになった。

基本的に、日本の山には奇蹄類はいない。
宮城県にミサキウマという半野生馬がいるだけだ。
だからひづめ型の動物は、里山の場合、シカ、カモシカ、イノシシだけを考えていればいい。

 
このように、動物の指は、使わないものが退化する傾向にある。

5本指が地面に残る動物でも、モノをつかむ必要のない連中は親指が退化しており、親指跡がなかったり、小さいものが多い (これが、左右の決め手にもなる。足跡を読む参照)。

タヌキやキツネなどは、厳密には前足が5本指なのであるが、親指が退化して「オオカミ爪」になっているので、地面に付く足跡は4本指になる。

足跡学について、もっと知りたくなったら、動物おもしろ基礎知識を読むといいぞ。

 

 

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